今日は後輩が新宿でライブしてたので見てきた。全国ライブをしているらしく久々に連絡をもらった。「兄貴、新宿でライブするので招待させてください」と。ちょうどスケジュールに空きがあったので、「行かせてもらうよ」と伝えて今日になった。
彼はデュエットでオリジナル曲を作っている。一度メジャーアーティストになったけど、人間関係など様々な事情で解散し、今はフリーでアーティストしている。
僕が福岡に住んでいるころ、先輩とキャバクラに来まくっていて、アフターで女の子と一緒にいくカラオケバーの店長をしていて、彼とは出会った。可愛い系のイケメン、声が綺麗、性格が良すぎる。しかも歌が上手い。
おいおい、おめーがいたら俺の格好がつかねーんだよ!と僕の当時の先輩がいつも怒鳴っていたのを見て、僕や他の仲間は酒を飲みながらゲラゲラと笑っていた。
それからかれこれ6、7年ほどの付き合いで、彼が金欠でしんどそーにしている時にフルチューンのMacBook Proを買ったらめちゃくちゃ喜んでくれて、曲も作ってくれた。
やっぱり音楽は売れない時代っていうのはかなーり厳しくて、ライブハウスを借りるのにもお金かかるし、チケットさばくのも大変で、いい機材買うこともできず四苦八苦していた。
「兄貴、俺まじで音楽やりたいんすよ。でも、金なくて、母子家庭で。絶対に成功したくて。俺にMacBook Pro買ってくれないですか?」って純粋な瞳で見つめられたので、断る理由はなかった。
彼とは僕が仮想通貨系の事業で死ぬほど儲かっている時に出会ったから、僕がその後仲間の裏切りや金の持ち逃げで、全てを失った社会的には底辺と言われるような大人に落ちぶれた姿も全部見ている。
その頃の僕は「ビジネス?いけるっしょ」みたいな根拠ない謎の自信はあったけど、一方で人に流される部分もあった。そうこうしているうちに事業がちょっと方向性おかしくなったタイミングで周りの人間とギクシャクしてきた。
最初はちょっとしたお金の貸し借りだけだった。それでも、そのお金を貸したことで要求される金額がどんどん大きくなり、最終的には億単位の金を貸したし事業の損失補填に使った。そして、僕の事業パートナーはある日突然、消えた。
僕はお金が帰ってこないことよりも、仲間がいなくなったことがショックだった。数年間かけて作った仲間が誰一人いなくなることが辛かったし、同じようなことがまた起きることがとても怖かった。
だからしばらくゲームの世界に引きこもって、オンライン対戦で世界11位になるまで現実逃避をするためにバーチャル世界に逃げ込んだ。完全に心が病んでいたし、誰とも話したくないような気持ちでいっぱいだった。
どうせまた事業を誰かとやっても、人がいなくなっていくんじゃないか。それだったらずっと一人でいればいいんだ。と子供のようにイジけてしまった。今考えると他人の本質を変えることはできないし、その時一緒にいた人たちがたまたまお金にルーズだったり、お金を借りようとしてきた人だったし、何より自分自身が絶対にお金を貸すことはしない。というルールを決めていなかったのが問題だったことは、今となってはよくわかる。(ちなみに今だったらお金を貸すのではなく、あげる。という関学であれば、小額はする可能性がある。)
こんな底辺の状態に落ちぶれてしまった。それでも彼はただの客と店長という関係だったにも関わらず、たまにLINEで「元気っすか?」など連絡してくれ、立場やこちらのつらい状況など関係なく接し続けてくれたことには感謝をしているし、数少ない戦友のうちの一人だ。
僕が2度目の離婚のタイミングで福岡から東京に引っ越す時も、僕が体調が最悪だったので、荷物の片付けを土砂降りの雨の中、彼が手伝いにきてくれたのを今でも覚えている。たくさんの不要な家具や食器類、鍋などをゴミ袋につめこみまくって、ザーザーと降っている雨の中タクシーに乗り込み「東京でもがんばってください!」と満面の笑顔で送り出してくれた。
一緒に過ごす時間はけして多くないが、それぞれその後、くぐり抜けてきた。メジャーアーティストじゃなくなった当時、彼は彼でしんどかったし、僕は僕で全ての人間関係が強制的にリセットされたことで病みきっていた。
今となってはビジネスをやる理由はまさにここにあって、男気ある行動を通して気のおけない仲間をいかに増やしていくか。ここに人生の豊かさがあると思っている。ビジネスをしているとたくさんの出会いがある。意味のない人脈、意味のない交流会、意味のない男女の出会い、そういうものが圧倒的に増える。それでもその中から一生を共にすることができうる事業パートナーや障害の伴侶に出会う可能性もある。
実際に僕は出会いにお金を使い続けた結果、自分がこの人から学びたいという師を見つけることができたし、その人の導きによってたくさんの素晴らしい人材に出会うことができている。5、6年前の自分からすると人に裏切られ、マイナスからのスタートだったにも関わらず、師との出会いからたった1年ほどで急激に良縁に恵まれ始めた。
正直、どんだけ人の出会いを精査しようと不義理な人間は確実にこの世の中にいるし、普通に平気で裏切られることなど、ある。じゃあ人脈なんか作らなくていい、友達なんかいらないと諦めることもできるが、クソなヤローもひっくるめて、全員黙ってオレについてこい!くらいの気持ちで世の中に接したほうが面白い。
それでも離れたく人は離れていくし、一緒にいる仲間は物理的距離が離れようと再会したら通じ合うものがある。去るもの追わず、来るもの拒まず。この姿勢で同じスタンスで生き続けるのが一番良い気がしている。
さて、そんなところから、今ではお互いに父親になり(イケメンなので女性ファンが多いにも関わらず、ファンにも公表しているらしい。誠実な彼らしい対応だ。)、それぞれのフィールドで生き抜いている。
ライブ後、アンコールが終わったあと、30秒ほどですぐに電話をしてくれ、真っ先に楽屋に呼んでくれ「俺が一番しんどい時にめちゃくちゃお世話になった人」とデュエットの相方や、周りのスタッフさんに紹介してもらった時に、ああ、やっぱりいい歳の取り方しているし、いい方向に進んでいるな。なによりええやつ。これはモテるわ。と心から感じた。
一人一人の出会いや、1度かぎりのライブに魂込めてるので、ファンがどんどん増えている。
今月来月だけで70回もライブをするらしい。しかも全国行脚しながらの引っ張りだこ。すごい。
自分のあげたMacBook Proが多くの人を感動と幸せの渦に導いている曲づくりの一端を担っていると思うと、それはそれで嬉しかった。
金持ちになるには何でも投資になるものにお金を使うのがいい。という言葉を聞いたことがある方は多いと思う。でもある程度お金持ちにになってから、具体的には5000万〜1億くらい持ってからは、積極的に投資ではないことにもお金を使っていった方が人生の後半で恵まれた経験の数が圧倒的に増えるはず。
出会いや師への課金、したことのないさまざまな新体験などにお金を使い、自らの五感に体験と知識知恵をぶち込みまくる。そうして内部からアップデートされた脳みそを使ってまたビジネスすると違う世界が見えてめちゃくちゃに楽しい。
そもそもビジネスしていなかったら絶対に彼と出会っていなかったし、たくさんの仕事仲間やお客さんが離れた時期もあったけど、今はありがたいことにたくさんの仲間に囲まれているし、彼とも繋がり続けることができている。それでいいし、それだけで十分だ。
これからもビジネスを通して、いろんな出会い、経験を増やしていこうと思った。
【追伸】
あと個人的にけっこう感動したのがデュエットの相方の成長。
彼は5年前には挨拶すらしない感じの男だった。
歌は確かにうまかったけど、挨拶とかしないし来たらするけど的な雰囲気バリバリ出てて、正直、印象は最悪の部類。笑
え、本当に売れる気あるのかな?みたいな。結構応援してるんですけど、、、みたいに当時は感じていたが
久々にあったら全く変わっていて、「いつもお世話になってます!」と頭めちゃ下げる系男子になってた。腹の底から売れたい、人気になりたい、夢を掴みたい、夢を応援してほしい。という気持ちがにじみ出ていた。
結局、本気で求めるから行動が変わるし、その本気の行動が人を動かすんだなって思った。
来年3月10日に大きめのライブを福岡でするらしいので、興味がある方は一緒に旅行がてら行きましょう。3月9〜11日くらいでいく予定です。いい曲いっぱいあります。