こんにちは、億人です。
今回は人生を覚醒させたい人向け。
人生くすぶっている人は、今すぐヴィンランド・サガのクヌート陛下の覚醒劇を見ましょう
ってタイトルで言ったので、これで終わり。今すぐ見ましょう。ってくらい、いい。
なので、ちょっとだけ解説します。
最近みた作品ではぶっちぎりですね。激おもろい。
もっともっと世間に評価されていい名作です。
ヴィンランドサガとは?
ヴィンランドサガは
イギリス、デンマーク、アイスランドの海賊をテーマにした冒険マンガです。
実際に僕は世界一周などで全部行ったことあるんですが、
デンマークとかアイスランドはやっぱり寒い。
作物を育てたり羊を育てるには不向きの気候。
よって、「ないなら奪ってよし」という
略奪行為をよしとする文化が形成されていき、
海賊文化が発達していきます。
ワンピースの悪い海賊みたいな奴らが、かっこいいとされていた時代ですね。笑
そう、ヴィンランド・サガは海賊の話です。
街を荒らして、略奪して、女をさらうのが
褒められていた世界。
暴力をテーマにした作品。
今とは全然違う正義がまかり通っている、
1000年も前の話。
主人公はトルフィンっていう男の子で
物語の最初で、最強で伝説の戦士である父親トールズを、
戦いのなかでトルフィンが人質になったせいで失ってしまう。
トルフィンは大好きだった父を失って、復讐の心に染まります
進撃の巨人でお母さんが最初に食われるように、
ワンピースでルフィを助けてシャンクスが片手を失うように、
強烈な動機づけで冒険を始めるというストーリーの王道ですね。
シンプルだけど分かりやすい
冒険の始まりであり、動機。
で、トルフィンは父を失って
行くあてがなくなって、
父親の敵であるアシュラッドと共に行動をして、
彼に敵討ちをするタイミングを見計らいます。
↑
アシェラッド
このアシェラッドも敵なんだけど、
カリスマ性があって頭もよく、戦略家。
腕っぷしも強い。(サシではトールズよりは弱いけど)
トルフィンにとっては敵でありながら、
行動をともにする実質的な味方でもあって、
めちゃくちゃ魅力的なキャラクター。
心理戦も得意で、トルフィンは自分に対して
殺気むき出しでやってくるので、やりやすい相手だ。と
一蹴しつづけます。
何度もトルフィンと決闘して倒すけど、
最後は自分の首を取れ。って言ってくれたりと
トルフィンにとって親代わりのような存在にもなっていきます。
主人公、トルフィンの成長もめちゃくちゃ面白いです。
トルフィンと、王者クヌートは逆の成長をしていき、立場になっていくのも面白い。
トルフィンは憎しみの世界で戦いに明け暮れて、
そこから復讐や戦いのない世界を作ることを決意して、
無邪気な子供→闇堕ち→復活という劇的なキャラ変をします。
アニメ1部の見どころは
・トルフィンとアシェラッドの戦い
・クヌート陛下の覚醒劇
今回は主人公ではなくて、
アシェラッドやトルフィンが
物語の途中で仕えることになる
王、クヌートについての話です。
クヌート陛下の覚醒から人間の進化を学ぶ
この王様クヌートなんですが、
最初はもう全然だめだめで、
領主である王様の子供として出てきます。
ただ次男なので災いを呼ぶと、
長男との権力争いというか
まとめ争いで邪魔になってくるってことで
戦場に追いやられる。
そんな感じのポジションでした。
↑
クヌート陛下。最初はおぼっちゃま
しかもそれを父親が仕向けている。という。
お前はもう用済みやから、戦場で野垂れ死んでええよ。
っていう死亡宣告を受けるわけです。
だから、そんなに自分の人生に希望とかを持ってるわけでもなく、
自信もなく一緒についてきた従者(ラグナルというおっちゃん)に、
こそこそと話をして、他のものに自分の意思を伝えるみたいな。
まぁすごく隠れて生きてるような存在でした。
でも冒険を進めて、その中で覚醒をするんですね。
行軍中に、従者であり、
実の父より父と慕っていたラグナルが、
アシェラッドによって討たれる。
アシェラッドは自分の野望のために、
カリスマ的な王が誕生することを望んでいて、
そのためには手段を選ばず、鬼になることを選んだ。
クヌートの精神的支柱であるラグナルをぶった斬ることで、クヌートの退路を奪うんですね。
この独り立ちできないなら、独り立ちできない理由ぶっ倒せばいいやろ。飯がなければ略奪して飯食えばいいやろ。女いなけりゃ女奪えばいいやろ。っていうのが、いかにもヴァイキングっぽい。笑笑
そうやってクヌートは自分の恩師を失ったり、
冒険の中でまぁ何回も命を失いそうになるんですが、
その中で本当の愛とは何かってことに気づきます。
そうして戦場の中で、
同行していた神父と話すうちに、
クヌートは世界の真理について深い理解をしていきます。
人間の世界っていうのは、
神が与えた世界、つまり愛まみれの世界ではなく、
人間がそれを汚して生きていると。
本来、自然界の生き物は死をもって愛を完成させ、
死してなお、その肉は他の動物に与えられ、
また残った骨や臓器は風化して次の植物を育む。
自然そのものが愛なのだ。と。
で、ラグナルが与えてくれていた愛なども、
人間が愛だと思ってるものは、それはただの差別だと。
例えば親が子を思う、 大切にしようってするのは、
ラグナルがクヌートを守るために60人以上を犠牲にしたシーンなども、
それは差別であると言うことに気づく。
この表現、エグい鋭いですね。
自分も親なので、いろいろ考えさせられますね。
自分以上に優先したい存在がいる、っていうのは、
それだけの愛をもっているとも、
それだけの差別できる対象をもっている、
とも捉えられるわけです。
誰にも嫌われないように、
トラブルを起こさないようにして生きてきた自分がいる。
でもクヌートは、人間の世界には愛などなく、
繰り返し争いながら醜く殺し合いをしているのを見る中で、
ここで覚醒して、楽園がないこの世の中に、自分が楽園を作ると決めた。んですね。
…………神は……
こうしている今も我々のことを
見ていらっしゃるのだろうな……友を失い
親と子が殺し合うそんな様の全てを天空の高みから
見下ろしておられるのだろう許せぬ
私はこの地上に楽土を作るぞ
平和で豊かな
生き苦しむ者達のための理想郷を…私の代では成し得ぬかもしれぬ
それでも最初の一歩を私が踏み出すのだ神はきっと私を愛で御許へ<召そうとするだろう
その時私は神にこう言うのだ
『もはや天の国も試練も要らぬ
我々の楽園は地上にある』とな
ここ、超かっこいい。痺れます。
あの優男だったクヌートが、この表情。
神をガン睨みする。
当時のキリスト教支配下の国の中で、
こんな神に仇なすようなことを
平然と言ってのけるほどの、覚醒。
クヌートがただの後継候補(負け確定)から、
圧倒的なカリスマ性を持つ王に変化した瞬間です。
こういう人間の葛藤からの覚醒、っていうのを
見事に描ききってくださっていて、作者の幸村先生、すげえ。
ここまでの経緯を見て欲しいですね。ぜひ。
特に人生くすぶっている人とか。
クヌート陛下も、これまでは
くすぶっていたわけです。
兄貴と比較されて、
平和主義の人間で、大して体も強くない。
そして王たる意思もなくて、
人にコソコソ指示出しするだけの
ひ弱な存在だったのに。
それが一瞬でひっくり返る。
自分の代でうまくいこうがいくまいが、一歩進み始めるのは自分しかおらんやろ。やったるわ。
これを神に宣戦布告した瞬間に
クヌートは王になったんですね。
うまくいこうがいくまいが、うまくいくまでやり続ける。という覚悟を決めた人から人生は覚醒していく。そういうものです。
この辺の感覚値をめちゃくちゃ
わかりやすく描写してくれている、
アニメ史に残る1シーンです。
物語の後半も面白い
一方で主人公のトルフィンは
父を失う
→敵討ちのために戦いまくる
→敵がいなくなる
→目的を失う
という一連の流れをしてしまい
茫然自失となって、その後、奴隷となります。
そこでトルフィンは親友エイナルと出会い
今まで殺戮と略奪の限りを尽くしてきた自分が
農耕をしながら、人の営みについて
深く考えるようになる。
そしてトルフィンは人を殺さないという誓いを立てて
また父親が築こうとしていた、ヴィンランドという
誰もいない肥よくな土地で、
戦争も奴隷もいない国を作る。
と決めて、ヴィンランドに旅立ちます。
道中で、かつて自分が殺めた
一族の生き残りに出会ったりしながらも、
それでも不殺の誓いを守りながら、生きていくトルフィン。
ずっと自分が積んできた、人の命を奪うという行為に
後悔し続け、寝るたびにうなされる日々。
でも、ある時に、赦しを得る瞬間がきます。
このシーンもめちゃくちゃ、いい。
面白いことに
平和主義だったクヌート
→戦を巻き起こし天下太平を狙う暴君へと変化戦争の渦中にいたトルフィン
→奴隷、農夫になり戦争と奴隷のいない国を作る名主へと変化
という対比があり、まさしく皮肉。
それでも進み続けるクヌートはかっこいいですけどね。
物語後半はめちゃくちゃ見た目もワイルドに変化します
もはや、誰www
ってくらいの風貌の変化。
神をぶっ倒し、現世に楽園を作るため、クヌートは
ワイルドゴリマッチョイケメンになります
作風の変化
最初はバトルマンガなんですが
後半は全く違うというか、国の建国とか
人の赦しとかの話になっていて
こんなに作風が変わる作品も珍しいな。と思うくらい。
後半はほとんどバトルなんかは出てこなくて
街の建設とか、原住民との折衝とか
そういう話になってきます。笑
でも実際の史実を元にしていますし
ヨーロッパがどういう歴史背景で出来上がってきたのか?とか
どういう主義主張の人がヨーロッパに広まってきたのか?とか
めちゃくちゃ世界史の勉強にもなるので、おすすめです。