ミケランジェロがルネサンス期に与えた影響がすごい

昨年、世界一周をした億人ですが、

もう一度行ってみたい国は?って聞かれたら、0.2秒で「イタリア」って答えています。

 

イタリアは世界一、世界遺産が多く、またルネッサンス文化の発達において、多大なる影響を与えている。

今世界を牛耳っているアメリカすらも、もともとはイギリスからの移民。ヨーロッパの与えている世界への影響は計り知れないです。

 

そんなヨーロッパ文化において、誰もが聞いたことがあるルネッサンス文化。

その中心にいたのが、間違いなくミケランジェロです。

 

イタリアから帰ってきて、ミケランジェロの考察本とか読みまくってきたので、ちょっとその凄さをシェアしたいな。と。

ルネッサンスってなに?

ルネッサーンス♪っていうのが持ちネタの、髭男爵って芸人いましたね。

ほとんどの人がこれくらいの理解だと思いますし、

なんとなく、世界史とかで学んでいると思いますが、

ルネッサンス文化ってなんでしょう?

 

なんか、ヨーロッパでいい感じで文化が広まったんじゃ?とか

それくらいの理解の方が多いと思いますが

歴史には必然があります。

 

ルネッサンスっていうのがなんなのか?を知ると

当時のヨーロッパの社会的背景とかよくわかります。

 

一言でルネッサンスを説明すると

腐敗したキリスト教(カトリック)に対するアンチテーゼ(反抗)

っていうのが一番的確な表現かと。

 

よーするに、キリスト教が政治と絡んでいくことで

どんどん権力とか金にかたよって、腐敗しちゃうわけですよ。

もともと聖書とかキリストが言わんとしていたことではなく、

教会が自分たちにメリットがある話をガンガンするようになる。

 

当時のカトリック教会は、「免罪符(Indulgentia)」というものを信者にお金で売っていました。

免罪符って何?

本来は「罪のゆるしのしるし」として使われるもので、

告解(ざんげ)や悔い改めの一環でした。

 

でも、16世紀になるとそれが変質し、「これを買えば天国に行けます!」という

“天国行きチケット”のように使われるようになります。

 

「亡くなった家族もこれを買えば救われる」とか

「大金を出せば、どんな罪でもチャラ!」みたいな宣伝が横行して

実際、教会の大聖堂(サン・ピエトロ大聖堂など)を建てるための資金集めに使われていました

 

つまり、信仰ではなく金で罪を帳消しにする商売が横行していたのです。

 

民の救いなんかそっちのけなわけです

でも当時はキリスト教の立場が圧倒的で、教会に不利なことを言うと、

異端審問官ってやつが、拷問をします。

チ。と異端審問官。

チ。という漫画がありますが

あれはまさにそんな話しで、

教会と違う考え方をしている=拷問 という

すごーく思考停止になった審問官たちがいまして。

 

異端思想=天ではなく地球が回っている

と考える人たちを追い詰めていくけど

 

一人一人の「地球と宇宙の真実を、知りたい」という好奇心の力によって

何人もの人が犠牲になりながらも、

最終的には地動説が認められる様になっていく。

という人の生き様を描いています。

人間の知る好奇心ってつええええ!

 

それくらい、当時のヨーロッパっていうのは

閉鎖的な考え方を押し付けていたわけです。

 

まあ、このへんの感覚が日本人だとちょっと理解しづらいですね。

日本って、もともと多様性をとても認める社会ですので。

別に日本が原爆を落とされて敗戦したからって、アメリカを憎むとかもないし

むしろアメリカに憧れ持っている人も多いくらいで。

 

これは多神教の国で、どんなものにでも神様が宿っているという

八百万の神様の精神が日本に根付いているからですね。

 

一方で一神教っていうのは

これが正解です。正解以外は邪道です。

だから信じるものを変えなさい。そうすれば救われるんだから。

っていう世界観です。

 

当然、こういうのを窮屈に感じる人もいるわけで。

 

そして、今みたいに科学的ではなく、もっと宗教的で、盲目的でした。

しかも拷問している人も、「こいつは異端思想で、かわいそうなやつだ…」

「救いのための拷問なんだよ…早く考え方を改めなさい!」という感じで

自分たちと考えが違うっていうだけで、死に絶えるまで拷問するっていう

かなーり危ない思想を持っていました…

 

それに一石を投じたのが、ミケランジェロであります。

彼の偉大な精神についてちょっと話していきます。

 

前談として、

ローマ帝国の衰退とか

キリスト教がどうやって政治と結びついたのか?

とか知っていると、めちゃくちゃわかりやすいので、

もっと知りたい方はこっちから見てもらえると。

ローマ帝国の衰退と、なんでキリスト教が力を持ったのか?

キリスト教批判をしていたミケランジェロ

異端審問が積極的にされていた中世ヨーロッパにおいて

ミケランジェロが20代を過ごしたイタリア・フィレンツェでは

ルネッサンス文化が発展しようとしていました。

 

背景は、さっき言ったとおりで、

キリスト教による恐怖支配にたいしての不満が溜まりに溜まっていたから。

 

今だったら言論の自由って当たり前ですが

当時は違っていたんですねー。

そう考えると、世界はどんどん、少しずつ良くなっているな。とも思います。

 

で、そういったイライラが溜まっている時に

メディチ家という当時のフィレンツェ共和国を統治していた豪族がいまして

彼らは金融業や、おそらく武器商人をすることでたくさんの金を集め、

彼は自分の豪邸のなかで、当時の芸術家や文化人を集めて、討論させていました。

なにに対して疑問を持っていたの?

じゃあ、キリスト教がなにを布教していたのか?

それを簡潔に話すと

「人間は生まれながらに罪人であって、死ぬまでも、死んでからも、罪を償わなければならない」

という教えがあって、これにたいして疑問を持った人たちが起こしたのがルネッサンス。

 

つまり

人間そのものは悪でも罪でもない。

っていうことを、

人間は自分の生を思いっきり生きていいのだ。

ということを、ルネッサンスは表現したわけです。

 

チ。っぽくなってきましたね。

そう、ルネッサンスもチ。と同じで

思想闘争なんですよ。

 

自由に考えさせろ。

罪なんかねーよ!

楽しく生きたいんじゃ!

っていう魂の叫びですよね。

 

でも声高々に言ってしまうと、拷問、処刑される。

 

それをなんとか芸術で表現できないか?

ってやったのが、彫刻の大天才、ミケランジェロです。

 

ミケランジェロの偉業

ようやく、ミケランジェロです。

ミケランジェロといえば僕の大好きな

ダビデ像が有名ですが

 

ミケランジェロの最大の偉業は

十字架に貼り付けられたあとのキリストを
抱きかかえる女性を彫った

ピエタです。

 

今はカトリックの最高機関である

サンピエトロ大聖堂に飾られています。

ピエタに隠された歴史的な意味

じゃあ、こちらのピエタ、なにがすげーのか?っていうと

キリストに妻がいた

っていうことを表現した。と言われています・

 

キリストは神の子なので、

当然妻がいるなんてことは教会は言えない。

人間である。ってなったら、威厳が落ちるわけです。影響力が減るわけです。

だから、そんなことは絶対に言えない。

 

だからこそ、これを表現した

ミケランジェロは偉大なのです。

 

彼は20代でこの作品を掘り上げた。

彼の最高傑作であることは間違いない。

 

そして、暗に彼は

「キリストだって人間やで」と

教会をディスってきたわけです

 

それでいながら、彼は88歳まで生きたわけでして。

ミケランジェロのなにがすごいのか?

ここまでの話をまとめます。

ミケランジェロの凄さは

当時絶対権力であったキリスト教に対して、彫刻という作品を通して、暗に自分の主張、メッセージを伝え続けた

という一点にあります。

 

これ、ものすごい勇気が必要だし、下手したら打首な訳です。

しかもそれが500年以上たった、今でも歴史的な作品として

世界中の人々を集め、感動を生み起こしている。

 

ルネッサンスは数十年でその活動に終止符が打たれるわけですが

今500年ほどたって、その精神は世界中に広がっているし

歴史上かつてないくらい、自由な時代がきていますよね。

 

何か発言したって、逮捕されることとかないし、

職業だって信仰だって全部、自由です。

 

僕はこうした自由に生きることの

世界的なきっかけ、ルネッサンスの中心であった

ミケランジェロという人物を、心より尊敬します。

 

広い意味で言うと、

僕がこうやってブログを書いているのも

作品作りです。

 

仕事だって、

YouTubeだって、

子育てだって、

人間の全ての活動は

なんかの意味で、表現活動です。

 

その中で、到達点なのが、

ミケランジェロのの作品だな。と思うわけです。

 

僕は彼のやってきた偉業に

敬意を払わずにはいられません。

ミケランジェロからの学び

僕が彼から学んだことは

 

・いつの時代でも権力者の言うことが絶対正しいわけではない

・自分の主張を持つことの大切さ

・たった一人の情熱、信念が世界を変えることだって、ある。

・それを表現、発信することの大切さ

・表現していれば、世界は変わる

 

このあたりです。

時代を超えても心にくる美しさが、躍動感が、

ミケランジェロの作品にはあります。

 

入門編としてダビデ像、

中級者編としてピエタ像を見にいくことを

つよくオススメします。

まじで人生観変えてくれます

 

ダビデ像に衝撃を受けたときの記事はこちら

「500年後も残る仕事とは?コンテンツ保存の法則」

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